2013年12月31日火曜日

2013年を振り返って



今日は朝から台所。久しぶりに義母さんと買い物に行き、料理を作り、お客さんをもてなし。長男嫁らしいことをしておりますが、明日お雑煮を作る!と意気込んでつくりはじめた 桜花人参が人手のようになってどうしようもありませんw

さて、2013年…正直ドキドキハラハラの耐えない1年でした。チャレンジが多かった分、喜びも多く感じさせていただいた1年でもあります。新しい場所で作業療法をさせていただく機会も多く、新しい場所で新しい人達からフィードバックをもらい、作業療法の魅力を改めて学ばせてもらった1年でもありました。そんな感謝の1年を振り返って、心に残るイベントのいくつかを綴ろうかと思います。


ADOC-Sがリリースされました!

 私の中で、1番のできごとはこれですね。待ちに待った…まるで我が子の誕生のように嬉しかった。沢山の人と、沢山の想いをカタチにするために、tomoriさんをはじめ、沢山の方と一緒にこの現場に立ち会えたことは、最高のイベントでした。
ADOC-Sを片手に保育園、小中学校、特別支援学校を回りました。みんなでADOC-Sを囲み、温かい活動の絵を指さしながら、将来に向けて今叶えたいことを話し合う様子を見ながら、『この支援の姿がみたかったんだ…』と号泣でした。…もちろん現場では泣きませんが。
「これいいわね!」「これなら他の生徒でもやってみようかしら」「家庭訪問で使ったら保護者と話しやすいわね」などご意見もいただき、ADOC-Sを活用することで、手軽に、楽しく、作業に焦点を当てて子供の支援を共有することができるようになるんだなと実感しました。来年は、より多くの方に伝えていけるよう頑張りたいなと思います!


新しい場所での作業療法

 特別支援学校の先生方とつながりを持つことができ、特別支援学校で作業療法を検討していく機会をいただきました。特別支援学校の先生方と関わる中で、その考え方や情報から多くのことを学ばせていただきました。来年は実際に目標を叶えていくことにも関わっていけたらと願っております。


小学校の先生と共同研究
 小学校で先生方と共同研究にも取り組ませていただきました。校長先生をはじめ多くの先生方のご協力のもと、ケースを通し、目標を共有し、評価を行い、情報を共有し、実現に向けた支援を立案し、実際に授業を他の小中学校の先生方100名近くの前で実演する…という研究及び研究発表に関わらせていただきました。
教育現場の悩みや文化、大切にしていること、システムなどを学ばせていただく中で、正直、作業療法を学校で行なっていく上で、知らないといけないことが沢山あると感じました。



 
 4月長男が教室に入れない、学童登校拒否、通学への恐怖…と大変戸惑った社会参加でしたが、今はすっかり、好きなことベストスリーにいつも学校と学童のことが入る程、前向きに成長しております。





最後に
 今年は大阪のOT学会でADOCのメンバーをはじめ多くの仲間にも出会いました。種まきOTさんとは、年末に沖縄観光に行く程の仲。この歳になって、気の合う人とは、こんなふうにひょっこり現れるんだなと、ちょっとルンルンの1年の締めくくりでした。
来年は
1月11日に作業療法臨床実践研究会でお話しさせていただきます。
2月16日沖縄県作業療法士学会では「沖縄県における作業療法の未来」をテーマにシンポジストとしての参加を予定しております。
3月に日本臨床作業療法学会がありますね。いまからとっても楽しみです!
 

学ばせていただく機会の多い1年でしたが、こうやって振り返ると、ほんとうに沢山の方のお陰で今の自分があると、つくづく感謝の1年でもあったと感じます。

本当にありがとうございました。


微力すぎて恩返しできないまま年を越してしまいそうですが、来年は、温かい皆様に少しでも恩返しできるよう頑張りたいなと思います!


それでは皆様、よいお年をお過ごしください。

2013年12月24日火曜日

Xmasに届いた幸せ



Xmasプレゼントが届きました。
半年前に面談したご家族からでした…


1年間同じ服ばかり着ている。言葉が出ない。目が合わない。人を避ける。初めてのところはパニックになる。

たくさんの問題に悩み、5歳の息子さんと検査を受けたそうです。「疑い」とついた診断名に、これからどうしたらいいのか…という相談でした。

どうして違う服を着て欲しいと感じているのか…
言葉を話して欲しいと感じるのはどんな時なのか…
目を合わせ人を避けないでいられることはどうして大切なのか…
始めてどんな所に行く時に落ち着いていて欲しいのか…

ゆっくり語り合いながら、お母さんとお父さんが息子さんに叶えたい生活を話し合いました。


行事に必要な服をきてほしい…
季節に合った服をきて、周りに心配かけないでほしい…
新しい学校に通えることを願っている…
そこで友達を作ってほしい…

ご両親は息子さんのこれから進学する幼稚園での生活のために、服のこと、言葉のことなどを願っていました。

そして、その生活を実現させるための環境づくりや関わり方を、みんなで話した頃には
初めに相談に来た時の不安な顔はなく、
息子さんの可愛いところや、できることなどの話にも花が咲き、みんな笑顔でした。



あれから半年。


ご家族から届いたプレゼントの中の写真には、息子さんが式服を着て笑顔の写真がありました。息子さんが一生懸命書いた名前や数字の手紙もありました。

お母さんは息子さんに着たい服を選んでもらうことにしたそうです。
文字でも想いを伝えられるようにと、字の練習をしたそうです。

叶えたい幼稚園の生活に向けて、進んでいる家族の想いが伝わってくるXmasプレゼントでした。



直接、男の子を治療したわけではありません。
ただ、問題に悩み、問題の原因が障害なのかもしれないと不安いっぱいの家族と共に、
問題の先にある叶えたい生活を具体的にし、目標として共有しただけです。



男の子と家族の歩みをみていると、それが大切なんだと思います。





問題を解決する支援から
やりがいを実現する支援へ…


それを目指して

2013年12月8日日曜日

「もっと知りたい」を育むために

もう3周も建物の縁側をグルグル回っています。
何周したらゴールなのか
息子にはないようです。



ハイハイの時、彼は「もっとあっちに行きたい!」とは訴えませんでした。
ハイハイの時、彼はとても楽しそうでした。
今に満足し
これ以上を望まず
ハイハイで行けるところに行ければ、それでいいようでした。

歩き出したのは2週間前
この2週間で彼は変わりました。
嫌いだった靴も、外に行くための手段として受け入れました。
それどころか、靴さえ渡せば「外に行きたい」と言えなくても、その想いに気づいてくれる!その手段として靴を持ってアピールするようになりました。

嫌いなことも受け入れて
苦手なことも練習して
特別なご褒美や目標がなくても
ただ「歩きたい」その想いに毎日どんどん歩いています。





昨日の研修会で「盲文化」の話がありました。
”見えない”世界の中で情報を得るために、聴覚や触覚、嗅覚などあらゆる感覚を使って「知る」ということのために努力が必要な世界。いまはタブレットやアプリなど便利な道具が生まれたけれど、大切なことは「学びたい」「知りたい」という子供の想いだそうです。

その「知りたい」を育むために重要なことは
「知れるんだ」という成功体験なんだそうです。知ることがうまくできない状況の中だけで育っていくと、「今でいい」と感じ、情報をうまく得られないまま、理解できていない現状に納得してしまい「もっと知りたい」が生まれにくいこともあるそうです。


私は通常学校の巡回で、この環境の中で本人がしたいことを持ち、できるのであればいいのではないかと感じていました。「これでいい」を越えて「もっと」を育むために成功体験が重要であることを改めて感じました。



Nelson Mandela「何事も成功するまでは不可能に思えるものである」
**講演会の中で金森先生が使われていた資料を少し拝借**


息子は「歩ける」成功体験が「歩きたい」を生み
どこまで?どうして?何のために?
よりもただ「歩きたい」のために前に進んでいる。

この先の人生に目標を持っていくけれど、時には成功体験から生まれた欲求に満たされて育つ瞬間も大切なんだな…と息子の背中から学んだ週末でした。




自分の知らないことを学べる毎日に感謝です、最後まで読んでいただきありがとうございました。