2012年5月14日月曜日

その子の生活の中で届けることを大切に



「うちの子はこのままいったら特別支援学級を勧められるだろう。8月には検査受けるように言われると思うから。私立も考えているんだ…夫はこの地域の学校で育つことを願っていたんだけどね。」


先日、あるお母さんが話していました。


もちろん、検査を受けることを親が拒否することもできます。
もちろん、進学先は保護者が最終的な決定権を持っています。

それでも、そういうことじゃないんだと感じています。
学校と先生という環境の中で育って行く子どもにとって
学校に預ける親にとって
地域の人の輪の中にいる家族にとって
そこで育っていくことを
認めてもらえる状況はとても重要なんだと思います。
例え、決定権があっても
決めたことを周囲が認めてくれることの方が重要なのです。



学校に巡回相談をしていて
実際に決められた流れの中で「支援学校」「支援学級」
など進学先が決まっていた子ども達と関わりました。
その子の将来を親と学校で考え、
そのために今大切なことは何か(作業)に焦点を当て
その実現のためにどこでこれから育って行くことが
「その子にとって大切なのか」
という視点から進学先をみんなでもう一度見つめ直すことが出来ました。
誰かが我慢することなく
誰かにのみ責任を迫られることなく
決めたことに、誰もが満足でした。



どの子どもにも、親にも
それができる地域になって欲しい
検査や進学先に不安になることなく
地域で育つことを選べる地域になって欲しい

そう願っています。



4年間の学校巡回相談の経験から
学校だけではその地域を作ることは難しい
と感じています。

親のその不安は
幼稚園の頃には出来上がっていることを知ったからです。
そんな不安を一度も感じることなく
子育てを楽しめるために
どうしたらいいんだろうと考えた時に
もっと前から、
その子の大切なこと(作業)に焦点を当てる視点を
地域に届けることが重要だと考えるようになりました。



特に、“障がい”と出会う時から。



今の社会では、
1歳半と3歳時健診の時に
発達の遅れを指摘され
検査を受けることを進められます。
親がそれを拒否すると
地域から連絡があり「健康診断後事後教室」に通うように進められます。

現在の健康診断後事後教室では
遊びを中心とした関わりを通して
発達の遅れを親に気付いてもらう関わりを行っているそうです。

実際に相談にくる親の多くは
その流れの中で我が子の障がいと出会ったと話していました。
そしてその出会いは親の不安につながっていることを知りました。



障がい
発達の遅れ
子どもの特性

全く知らなくていいとは思いません。
知ることでのメリットも
もちろんわかっています。

でも、大切なことは
我が子の素敵な将来を創造し
そのために今大切な生活(作業)を考えられることから始められることです。

その生活を実現するために
その子の力だけでは苦しいことを共有し
みんなで実現に向け環境を整えていこう!
関わりを大切にしていこう!
という”その子の生活の中で”
子どもの特性・能力・機能について届けることが
地域で育てて行くことの安心につながり、
親が主体的に子育てに参加することを支え、
地域で関わる社会の環境・人と協働していくことの実現につながると感じています。



今、それを実現できる地域づくりのために
私の夢でもあった
健康診断後事後教室に参加できる機会を得ることができました。
保健福祉課の方は
まず行政としては子どもの特性を知り
親にも自覚してもらうことから…
親が発達検査や医療機関とつながることを目標に…
という視点です。でも、
障がいありきの情報管理の長い歴史がある中で
すぐには変えられないかもしれませんが
少しずつ伝えていけたらと願っています。

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